<東北高校バスケットボール>◇最終日◇29日◇福島県営あづま総合体育館◇男女決勝

 新時代が訪れた。明成(宮城)が男女それぞれ初優勝を果たし、大会史上初のアベック優勝となった。男子は、8連覇に挑んだ能代工に102-83で勝利。男子の初優勝は92年の仙台高以来で、この時の仙台高監督が、現在明成を率いる佐藤久夫コーチ(58)だった。女子は身長195センチの中国人センター陶雪■(3年)が26得点の活躍で福島西に99-50で快勝。05年福島西以来となる初優勝を飾った。■は女へんに亭

 明成のユニホームが、男女とも最後まで躍動した。女子は、身長195センチの陶が決勝でもゴール下を支配。リバウンドを決める度に会場はどよめいた。安達美紀コーチが「このチームは高さもスピードもある」と言うように、相手が陶の高さを警戒すれば、外から辺見優香主将(3年)がスピードある突破を仕掛け、小泉愛莉(3年)が距離のあるシュートを放つ。陶は「内、外のリズムが良かった」と振り返った。両親ともに中国でバレーボールの省代表経験があるというサラブレッドは、中1でバスケットボールを始め、高1で来日した。安達コーチが「まだ上達している」と評価する逸材は、インターハイに向けて進化を続ける。

 男子は創部4年目での東北制覇となった。高さがある能代工に対してリバウンドで競り勝ち、前半で流れをつかんだ。名将・佐藤コーチは「能代工に勝てれば全国で通用すると思っている。能代工はまだ目標のチームです」と話した。藤井則希主将(3年)は「毎日厳しい練習をしたのがアベック優勝という形になった」と満足げ。一緒に練習するなど、男女が鍛錬し合い、さらに高みを目指して、伝統を築く。