<アイスホッケー:全日本選手権:西武6-5日本製紙>◇最終日◇15日◇東京・DyDOアリーナ

 今季限りで廃部する西武が2連覇を飾った。日本製紙との決勝は、最終第3ピリオド(P)途中で3-5と2点を追う展開となったが、立て続けに3ゴールを奪い、6-5で逆転。前身のコクド(国土計画)時代を含め、11度目の優勝を決めた。最優秀選手には1得点1アシストを挙げた日本代表FW田中豪(25)が選ばれた。チームとしては、24日から準決勝が始まるアジア・リーグのプレーオフが最終戦となる。

 逆境に立ってからが、西武の真骨頂だった。第1Pに先制も、第2Pに4失点で逆転を許し、第3P5分過ぎには追加点を与えた。2点ビハインド。だがパックを徹底的にゴール前に集め、攻め続けた。7分過ぎに主将のFW鈴木が中央突破から1点を返すと、勢いは加速した。FW小原が同点とし、最後は鈴木が決勝ゴール。大逆転で最後の全日本選手権を制し、鈴木は「先輩が築き上げてきた強いチームの姿を最後に見せられてホッとした」と、かみしめるように話した。

 喜びを爆発させた昨年とは違い、素直に喜べる状況ではなかった。日本リーグ13度、アジア・リーグ2度優勝の名門は、昨年12月に廃部が決定。チームの譲渡先を探してきたが、今月の最終予選で10年バンクーバー五輪出場権を逃した影響もあってか、容易には決まらない。地元の東京都西東京市の商店街などが、存続を訴える署名を集めたところ1月までに1万人を超え、この日もアリーナ入り口で署名活動が続いた。

 若林監督は「ハート、情熱、執念を見せてくれた」と振り返った。小山内幹雄オーナー代行は「東京のアイスホッケーの灯を消さないためにも、何とか来シーズン以降も存続させたい」と、譲渡先探しの尽力を強調した。残るはアジア・リーグのみ。今大会に続き「強い西武」を誇示して、有終の美を飾るつもりだ。