陸上の世界選手権(8月、ベルリン)女子マラソン代表に内定している渋井陽子(29=三井住友海上)が、注目選手ゆえの苦難に立ち向かう。22日の横浜国際女子駅伝に向けた記者会見が21日、横浜市のホテルで行われ、渋井はアンカーの6区(5・195キロ)に決まった。

 1月25日の大阪国際女子マラソンで優勝した後は完全休養し、練習再開から1週間あまり。「大阪のような走りを期待されている方々には申し訳ない。あの走りは無理だけど、楽しく走っているところを見せられればいい」と苦しい胸の内を明かした。日本の顔として主催者側から出場依頼があり、現状を承知で走るという事情がある。

 「練習量は少ないので、食事の量を気をつけてきました」。はんぺんダイエットや、選手ホテル近くの銭湯で汗を流し、必死の減量に努めてきた。競技普及や選手育成に一役買ってきたが、トップ選手に負担が掛かる側面があった今大会も、今年で最後。渋井が大人の事情を胸に秘め、ゴールに向かう。