北京五輪陸上男子ハンマー投げで繰り上がり銅メダルとなった室伏広治(34=ミズノ)が、15日に開幕する世界選手権(ベルリン)を欠場することになった。腰や股(こ)関節の痛みで調整が遅れ、体調が万全でないことが理由で、12日に日本陸連の高野進強化委員長が発表した。

 高野委員長によると、米サンノゼで合宿中の室伏から11日に「痛みはなくなってきたが、準備不足でピークを合わせるには時間が足りない」と相談を受け、12日に再度話し合った上で出場を断念した。関係者によると、練習の投てきで、あと2~3メートル平均飛距離が伸びれば入賞が見えてくる状況だったが、3年後のロンドン五輪も見据え、無理をしない方針を固めた。

 今季の室伏は開幕前から故障に苦しんだ。5月末まで約4カ月間投げられない状態が続き、手術を受ける可能性もあった。6月の日本選手権で15連覇を果たしたが、記録は最近10年間ではワーストの73メートル26と低調だった。5日の結団式では、父重信コーチが「準備に3~4カ月は必要。記録や順位はあまり期待できない」と話していた。

 室伏は当初、12日にベルリン入りするはずだったが、しばらくは米国に滞在し、信頼できるトレーナーのもとで体調を整える。競技後は、16年夏季五輪開催を目指す東京の招致委員会の一員として、PR活動も予定していた。だが、欠場を決断したことで一転、ドイツ入りしにくい状況になった。