フィギュアスケート男子の町田樹(24=関大)が、12月のグランプリ(GP)・ファイナル(バルセロナ)での初優勝に照準を合わせた。22日のGPシリーズ第5戦フランス杯(ボルドー)で、合計237・74点で2位となり3季連続のGPファイナル進出決定。一夜明けた23日、「金メダルを取れる最大のチャンス」と意気込んだ。

 フランス杯のフリーから一夜明け、町田はシリーズ上位6選手で争われるGPファイナルに向けて「金メダルを取れる最大のチャンスだと思う。邪念を捨て、残り2週間で自分の演技に集中できるように準備したい」と意欲を新たにした。

 「時差ぼけもあって体調が整わなかった」という今大会はジャンプでミスが出た。22日のフリーでは冒頭の4回転トーループで転倒し、右足首に違和感を覚えた。この影響でジャンプを相次いで失敗。「久しぶりに弱い自分を見た。もっと心身とも強靱(きょうじん)な男にならないとフリーは演じきれない」と悔しがった。ベートーベンの名曲「交響曲第9番」を使ったフリーは芸術性を重視した自信作だが、「情けない。20点あるかないかの出来」と反省しきりだった。

 第1戦のスケートアメリカの優勝に続く表彰台で、日本勢一番乗りでファイナルへの切符をつかんでも満足しない。「失敗から得られるものは大きい。この借りはスペインで返したい」と誓った。ファイナルは初出場だった2季前が6位、昨季は4位。「これまで散々な成績だったが、作品の完成度の高さに自信を持っている」と3度目の大舞台へ意気込んだ。