<フィギュアスケート:4大陸選手権>◇第2日◇13日◇韓国・ソウル

 昨年12月の全日本選手権覇者の宮原知子(16=大阪・関大高)が、女子ショートプログラム(SP)で自己ベストを更新する64・84点で首位に立った。明日15日のフリーで、世界選手権(3月、中国・上海)に弾みをつける優勝を狙う。

 堂々としたものだった。SP後の会見に臨んだ宮原が、得意の英語で受け答えする。小学校低学年まで米国で暮らし、英語のテストでは学校で1番になったこともある秀才。語学力に定評はあるが、安藤、浅田と同じ16歳で全日本女王になった自信を感じさせた。演技直前の6分間練習、滑っている途中でうつぶせに転倒するハプニングもあったが「動揺しなかった」とも言ってのけた。

 「ラッキー。思ったより点が出たのでうれしかった」と落ち着いた様子で振り返る。冒頭に跳んだ3回転ルッツ-3回転トーループの大技にスピードが足りず、「回転不足を取られた」と案じていたが、取り越し苦労に。不安げな表情で得点を待ったが、自己ベストを1・27点更新すると一転して喜びに沸いた。

 32・26点を稼いだ技術点でライバルを圧倒。3つのスピンで最高難度レベル4を獲得して得点を重ねた。ステップを含めた全ての要素でジャッジの加点を引き出す質の高さ。浜田コーチが特長に挙げる「真面目さ」が存分に発揮された。

 「SPよりフリーが得意。去年2位になっているので、順位を上げられるように頑張りたい」。初代表で臨む世界選手権へ、自信をつける絶好機が訪れた。