<女子バレーボール:ワールドGP東京大会:日本3-0ロシア>◇最終日◇21日◇東京・有明コロシアム◇1次リーグ

 世界3位の日本が、昨年の世界選手権覇者ロシアに25-23、25-19、25-19のストレートで勝つ金星で、24日開幕の決勝ラウンド(マカオ)進出を決めた。ママさん選手の山本愛(29=JT)のサーブなどで第1セットを奪うと、第2セットから石田瑞穂(23)のスパイクなどで押し切った。日本がロシアにストレートで勝つのは95年日ロ対抗以来16年ぶり。通算6勝3敗、勝ち点18で6位以上が確定し、決勝ラウンドへの進出が決まった。

 自力で決勝ラウンドに進むには勝つしかない状況で、相手は世界女王のロシア。しかし、その大一番で「集中力とディフェンスが最高だった」(真鍋監督)と、日本がようやく昨年世界選手権銅メダルを獲得した時の底力を発揮した。第1セット、口火を切ったのが山本のサーブだ。「相手の間やライン際を狙った」攻めるサーブで一気に8連続得点で波に乗った。第2セットは過去2戦ともにベンチを外れていた石田が「どうしても勝ちたかった」と、木村に続く13得点を挙げる活躍で、真鍋采配がずばり当たった。

 背の低さやパワー不足を補うため、トスからスパイクまで1秒を切る高速バレーを目指してきた。「選手にはストレスがかかると思う」(真鍋監督)と、高いレベルに戸惑ったことが今大会の苦戦につながった。しかし、同監督は「これをやらないと世界には通じない」。ようやく目覚めた日本が、決勝ラウンドで初のメダル獲得に挑む。【吉松忠弘】