<大相撲初場所>◇13日目◇23日◇両国国技館

 結び前の一番で、横綱日馬富士(30=伊勢ケ浜)が横綱鶴竜(29=井筒)に敗れた。

 勝てば優勝争いを14日目以降に持ち越せたが、結果的に直後の結びで「白鵬が勝てば優勝」という、格好のお膳立てをしてしまった。

 立ち合い、頭でぶつかり合った両横綱。ともに額や目の付近を流血するほど、執念のこもった一番で、日馬富士は右四つで攻め込んだが、残された上に、もろ差しを許した。それでも「前に出て行く勢い、流れだったから」と振り返るように強引ともいえる寄りで、攻め立てた。だが腰が浮いた上に、右上手を切られ、最後はその右を首に巻いて捨て身の首投げ。それがすっぽ抜け、下手投げでバタリと倒された。

 「中に入っちゃったな」と話すように、距離を取って突き放したかった。最後も「ムダだった」と捨て身の投げをぼやいたが、執念は見せた。控えで土俵下から見ていた白鵬-稀勢の里戦は、取り直しも含め「2番とも横綱が勝っていたと思う」と話した。