貴乃花親方(元横綱)の初優勝(92年初場所)は「八百長」とする疑惑に、優勝が決まった同場所千秋楽の対戦相手で当時平幕だった元三杉里の岡本公似さん(46)が17日、「そういうことは全くなかった」と強く反論した。岡本さんの師匠が貴乃花親方の伯父で当時の二子山理事長(元横綱初代若乃花)という関係もあったが、貴乃花親方(当時、平幕貴花田)に知らせず自ら負ける「片八百長」についても「ありません」と完全否定した。

 「貴花田初優勝」の八百長疑惑は、前日16日に東京地裁の大法廷で始まった。日本相撲協会の北の湖前理事長らが、八百長疑惑記事を掲載した週刊現代発行元の講談社などを名誉棄損で提訴した訴訟の口頭弁論で、被告でライターの武田頼政氏が「貴乃花親方の初優勝も八百長だったと聞いている」などと証言。情報源は貴乃花親方の母藤田憲子さんと明かした上で「本人は知らないが、先代二子山親方(元大関貴ノ花)が裏で(手を)回しているのを藤田さんが見たのです」などと指摘した。

 これに貴乃花親方は「そういうことは一切ない」と反論。この日も「相手が真剣だったことは相撲を取っている私が肌で感じて分かる。武田氏の話は、私の相撲道を否定しているもので許し難い」と訴えた。一方で藤田さんは前日に続いて静観。マネジャーが「現段階では何も話せません」と話すだけだった。