<大相撲秋場所>◇7日目◇15日◇東京・両国国技館

 新関脇妙義龍(25=境川)が、西前頭筆頭の魁聖(25=友綱)を押し出しで下し1敗を守った。最近2場所連続で技能賞を獲得したことで、地元の兵庫・高砂市で初の観光大使に内定したことが判明。横綱白鵬の準備運動や相撲を目で盗んだ今場所は、2日目から入幕後初の6連勝と絶好調だ。今日8日目は綱とりを狙う全勝の大関日馬富士と対戦。V戦線生き残りへ、重要な一番になる。

 妙義龍は慌てなかった。魁聖に一瞬、土俵際まで押し込まれる。「腰が抜けそうやった」。だが、体を俊敏に動かし、低い体勢で頭をつけると形勢逆転。身長194センチ、体重186キロの巨体の相手を押し出した。入幕後初の6連勝で1敗をキープし「落ち着いて平常心でできた。体も動いた」と満足げに振り返った。

 勝負師向きのいかつい顔に、研究熱心さも備える。把瑠都の休場で不戦勝となった4日目。支度部屋で、奥にいる白鵬を凝視した。「どうやって体を動かしているのかを見てた。動きの1つ1つが集中していた。普段は見られないので良かった」。その日は、横綱に力水もつけ「緊張したッス」。土俵下で初めて、結びの一番も見た。「横綱は足の指で土俵をかむようにつかんでいた」と、第一人者の相撲を目で盗んだ。

 「強い人のマネをしないとね。自分はそうやってきたので」。場所中は深夜2時ごろまで眠れなくても、次戦のイメージを頭に描く。そして、土俵に上がれば、迷わず攻める。「楽な相撲はとらない、と自分に言い聞かせてます」。真っ向勝負が信条だ。

 ここ2場所続けて技能賞を獲得し、関脇まで出世した。地元の兵庫県高砂市でも知名度と盛り上がりも急上昇。5月に設立された「高砂後援会」は会員数が2倍近く増え500人に迫る勢い。平安時代から港町として栄えた同市初の観光大使にも内定している。

 今日8日目の相手は、綱とりを狙う全勝の大関日馬富士。過去の対戦は1勝2敗、今年夏場所で寄り切ったいいイメージもある。「大関はすごく動きも速いし、翻弄(ほんろう)されんようにせんと。自分も調子が悪いわけはないので、思い切りいけるんじゃないですか。楽しみです」。V戦線生き残りを懸け、立ち合いから勢い良く前に出る。【木村有三】