開幕から「勝利の方程式」が崩された。1点リードの7回1死二塁。西勇からバトンを受けた岩崎が、巨人吉川尚に右越え2ランを浴びて引っ繰り返された。

吉田 西の代え時はポイントだった。難しい選択だと思うが、ベンチは最初から交代を決め込んでいたようでしたな。ただ、岩崎が吉川尚に打たれた結果で言うのでなく、西にもう1イニング託してほしかった。

6回で97球を投げきった。7回2死から8番梅野が打席に立った際、続いて巡ってくる西勇の打順には、すでに高山が代打要員として控えていた。

吉田 西は立ち上がりから両サイドに制球されたピッチングで巨人打線をてこずらせた。しかも、3回に自らの本塁打で先制、同点の5回は適時二塁打を放つなど、まさに孤軍奮闘の働きだった。おそらく交代の目安として球数うんぬんはあっただろうが、ここは西のツキに懸けてもよかったのではないでしょうか。

また、開幕から注目された新外国人ボーアの4番デビューだが、4打数ノーヒットの不発だった。1点を追う9回無死から、3番マルテが左前打で出塁したが、続くボーアは三ゴロ併殺に終わった。

吉田 あそこでゲッツーは最悪の結果です。しかもわたしが言いたいのは、1点差でノーアウト一塁ですから、あそこは「4番」のバッティングをしなあかんということですわ。ということは、ボールに合わせるかのような打撃に見えましたが、巨人が右に寄るシフトを敷いていようと、もっと引っ張らなあきませんわな。

矢野阪神2年目の船出は、宿敵巨人に“花”を持たせる幕開けになった。

吉田 ボーア中心の打線が機能し、ジョンソン、ドリスの抜けた穴を埋める。そして、巨人に勝つこと…。それがチームにとって優勝争いをするための条件です。くしくもシーズンを通しての縮図が浮き彫りになった手痛い1敗でした。ここは切り替えたい。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】

巨人対阪神 9回表、ベンチで帽子をとる矢野監督、左はボーア(撮影・加藤哉)
巨人対阪神 9回表、ベンチで帽子をとる矢野監督、左はボーア(撮影・加藤哉)