阪神が前半の猛攻でマジックを「15」に減らした。

初回に5番佐藤輝明内野手(24)の2戦連発となる17号3ランなどで4点を先取すると、2回までに6点をリード。先発の伊藤将司投手(27)はわずか90球で1失点完投勝利を飾った。

今季9度目の同一カード3連勝を決め、2位広島とのゲーム差は7・5に開いた。阪神OBで日刊スポーツ評論家の岩田稔氏(39)は「阪神は足すくわれない野球を徹底できている」と「アレ」へ太鼓判を押した。【聞き手=佐井陽介】


阪神は本当にスキの見当たらないチームになりました。1回表はヤクルト守備陣の失策につけ込んで一挙4得点。この立ち上がりに注目したのが、ヤクルト三塁手の村上選手が二塁に悪送球した場面でした。無死一、三塁で3番ノイジー選手が三ゴロ。5→4→3の併殺プレーを狙った村上選手の送球が浮いたシーンですが、このミスは一塁走者・中野選手の激走が呼び込んだように映りました。予想以上に際どいタイミングまで持っていけたから、村上選手の焦りを誘えたのだと感じました。

走攻守ともに個々人がやるべきことを全うする。そんな姿勢は序盤に大量リードを奪った後も変わりません。近本選手は6点リードの4回2死、中堅左を抜いた飛球で迷わず二塁ベースを蹴って三塁を陥れました。余裕を持っての二塁打でも責められない当たりでしたが、中野選手や近本選手の走塁が今のタイガースを象徴しているような気がします。9番の伊藤将投手も丁寧に犠打を2度決めるなど、足をすくわれない野球を徹底できています。

伊藤将投手の投球に関しては、2回までに6点リードをもらった中で完璧な内容だったと思います。序盤に大量リードをもらった時、もっとも避けなければならないのが四球などで走者をためること。早打ちになるヤクルト打線を浅いカウントから打たせて、わずか90球で1失点完投勝利は文句なしと表現できるでしょう。前日2日ヤクルト戦で打球を左手に当てたクローザー岩崎投手を休ませたという意味でも、伊藤将もまたやるべきことを遂行した1人に違いありません。

2位広島とのゲーム差が開いても、一切のスキを見せない姿勢が際立つタイガース。唯一の心配点は、再び右脇腹に死球を受けて途中交代した近本選手の状態の他にありません。日本一を目指す過程の中で絶対に欠かせないプレーヤー。今は軽傷であることを願うしかありません。(日刊スポーツ評論家)

ヤクルト対阪神 6回表阪神無死、左中間にソロ本塁打を放った森下(左)を迎える佐藤輝(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対阪神 6回表阪神無死、左中間にソロ本塁打を放った森下(左)を迎える佐藤輝(撮影・鈴木みどり)