現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(55)が試合をチェック。西勇と梅野のバッテリーが7回に2点の勝ち越しを許した“2球連続の失投”を分岐点に挙げ、「もったいない負け」と厳しく分析。7回佐藤輝の三塁守備も含め「岡田監督のいう普通ができなかった試合」と厳しく指摘しました。【聞き手=松井清員】
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首位広島と5・5差が開き、阪神にとって非常に重い1敗になりました。菅野も絶好調ではなく、巨人にもいくつかスキがあった。それだけにもったいない負けというしかありません。
特に勝ち越された7回の点の取られ方です。無死一、三塁から決勝打を浴びた7番門脇は、この日“一番もってない選手”でした。初回は先制点につながるエラー、4回にも一塁悪送球があり、その打席もセフティスクイズとスクイズを失敗していました。でも取り返すために必死の打者に1-2と追い込みながら、スーッと甘い直球を投げてしまった。時間をかけてじらせてもよかったし、ボール球でもよかった場面です。
さらに一、三塁から続く8番小林に決められたスクイズも不用意でした。サインが出る可能性が十分ある状況で、様子見で偽投のけん制をしてもいいし、足をゆっくり上げて投げてもいいし、ボール球から入ってもいい。でも直前に取られた1点を引きずってか、あまりにも正直にストライクを投げてしまった。冷静に状況判断できなかったバッテリーの“2球連続の失投”はもったいなく悔やまれます。1点差か2点差で、追う方も大違いですから。
7回巨人の勝ち越し劇は、先頭大城卓の打球が三塁佐藤輝のグラブをはじいて始まりました。野手経験者の立場でいえば、ダイビングしたら取れたんじゃないかと感じてしまいました。さらに続く吉川に決められた初球の三塁線のセフティーバント。相手も一塁代走を送ってきた1点勝負の場面。雨でぬかるみ、打球が死ぬのは分かっているので、いつもより少し前で守るとか、状況判断が必要でした。チーム全体で岡田監督のいう「普通にやれば」ができなかった試合でした。
首位広島はスキを見せないけど、2位巨人にはこの日のようなスキがある。まずは巨人との差を詰めないと上にいけません。昨年の日本一チームなので「普通」ができれば勝てるはず。苦い1敗を糧に、目の前の試合を勝つしかありません。(日刊スポーツ評論家)




