キャンプ初日、私はどこの球団から取材しに行くか、そこにはこだわりを持ってきた。初日にこそ、勝負をかける選手の思いは動きに出る、そう信じてきたからだ。オリックスの清武のブルペンを見て、勝負をかける投手の意気込みが、伝わってきた。

まず、椋木のフォームに復活の予兆が見える。これまでは腕が下がり、押し出すしぐさに、どことなく弱々しさが漂っていたが、今年は違った。しっかり肘が上がり、腕の振りも良かった。

さらに目を引いたのが小野だ。22年に阪神から戦力外通告を受け、オリックスに育成契約で入団し3年目。5月で31歳。勝負をかけるシーズン。やるしかない、その危機感は、フォームのバランスの良さと、ストレートの力強さによく表れていた。私が見たブルペンでは、もっともボールが来ていた。

高卒2年目東松も、非常にきれいなフォームで投げていた。いきなり先発ローテーションとはいかないだろうが、どこかでチャンスが与えられても不思議ではない総合力を感じさせてくれた。

そして育成契約で再チャレンジの村西もいいボールを投げていた。サイドスローから、23年にアンダースローに転向し、再びサイドに戻して迎えたキャンプイン。腕も良く振れているし、あの軌道ならば苦手にする打者も出てくるはずだ。

チームには右のサイドとして比嘉が貴重なアクセントになっていたが引退に伴い右のサイドスローの枠が一つ空く。この枠を目指して、キャンプからアピールしてやるという貪欲が、その振る舞いににじんでいた。

昨年は巨人菅野が初日に誰よりも早くブルペンに入っている。そして一昨年はオリックスからソフトバンクを見て回ったが、その年に懸ける選手の動きは、やはりどこか違い、ひきつけられた。

昨年はリーグ2位の防御率も、故障者が多く、打線もつながらず連覇は途切れ5位に沈んだ。だが、チームの根幹を成す投手力は、非常に厚いものを感じさせてくれた。(日刊スポーツ評論家)