日本ハム清宮が右手有鉤(ゆうこう)骨骨折の手術を受けたが、巨人松本哲也2軍外野守備走塁コーチ(34)も5年前に同じ手術を受けた。

14年8月15日の広島戦(マツダスタジアム)。途中出場で7回に回った第1打席に、初球をファウルした瞬間…右手を「電流が走ったような」痛みが襲った。1軍に昇格した直後でアピールのチャンス。「気合で」打席に立ち、遊撃への内野安打を放った。

松本コーチ あの時はとにかく必死で。自分にとってアピールのチャンスでしたし、何が何でも食らいついていこうと思った。

7回以降も出場を続け、グラウンドで勝利の瞬間を迎えた。試合後にトレーナーの治療を受け、翌日は痛み止めの注射を打ち、ベンチ入り。その翌日もベンチに入ったが、休養日だった18日に都内の病院で検査を受け、骨折が判明し、手術が決まった。

骨折しながらの安打も驚異的だが、さらに周囲を驚かせたのは回復の早さだった。手術からわずか1カ月後に2軍で実戦復帰。シーズン終盤には、絶望的とみられた1軍の舞台にも立った。「医者の方も驚くくらいでした。でも、僕は30歳でしたし、じっくり治してる時間もなかった。(清宮は)若いですし、将来のある選手。骨を除去すれば不安はなくなりますから」と気遣った。【巨人担当 久保賢吾】