<SMBC日本シリーズ2020:巨人1-5ソフトバンク>◇第1戦◇21日◇京セラドーム大阪

ソフトバンク栗原陵矢捕手(24)が「シリーズ男」に名乗りを上げた。京セラドーム大阪で開幕した「SMBC日本シリーズ」に初めてスタメン出場し、初本塁打を含む3安打4打点と打ちまくった。

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栗原は貪欲で謙虚な男だ。昨年の春季キャンプでのできごと。中学時代の恩師、福井ボーイズ・南博介監督が見学に訪れていた。打撃練習が一段落した頃、栗原が南監督に歩み寄り「アドバイスをください」と聞いた。周りにはプロの関係者もおり、南監督が遠慮していると「そうじゃないんです。監督はずっと見ててくれたから。気になることとかあったら、言ってください」と言い切った。「プロだから」というおごりはない。真剣に、心から、助言がほしかった。

初めてレギュラーに定着した今季は、打撃の調子を落として苦しい時期もあった。そのたびに先輩らに助言を求めて乗り越えた。自主トレで師事している中村晃だけでなく、職人肌の長谷川にも聞いた。物おじせずに飛び込んでいく貪欲さも栗原の武器だ。CS後の練習中には、独特の感性を持つ柳田とも、グラウンドの脇で真面目に打撃の話をした。CS無安打でも、栗原は這い上がった。【ソフトバンク担当=山本大地】

巨人対ソフトバンク 初戦に勝利しタッチを交わすソフトバンク栗原(右から4人目)ら(撮影・足立雅史)
巨人対ソフトバンク 初戦に勝利しタッチを交わすソフトバンク栗原(右から4人目)ら(撮影・足立雅史)