意識の高さに真摯(しんし)な姿。日本ハムのドラフト1位伊藤大海投手(23)の取材をする度に刺激を受ける。先発する4月7日ソフトバンク戦(札幌ドーム)の前日取材の時に残したコメントが印象的だった。「1試合1試合成長していかないと置いていかれる。また明日も、1つでも何か成長出来るような投球に」。

日々、成長するために尽くすことは当然のことなのかもしれない。でも「成長」というフレーズは私の心で大きく響いた。

私が伊藤と最初に出会ったのは記者1年目、3年前のことだ。18年5月27日に苫小牧で行われた北海道6大学野球の取材だった。その試合で2年生だった伊藤は初回から150キロ超えを連発。9回完封、18奪三振の快投でチームを4年ぶりに全日本大学選手権へと導いた。試合後の囲み取材では、初めて対面する私に対しても、しっかり目をみてあいさつしてくれたことを覚えている。

当時記録していたスコアブックを読み返すと、余白がないほど、コメントのメモで埋まっていた。記者として右も左もわからず必死だったあの当時だが、いつかまた伊藤を取材して原稿を書きたいと思った。

あれから約3年。日本ハム担当として取材をする今も、伊藤の礼儀正しさは大学時代と変わらず感銘を受ける。取材終わりには囲んでいた記者たちの目を見てしっかり頭を下げる。プロ野球取材の時スーツに身を包む私は、その時毎回ネクタイに緩みはなかったかハッとさせられる。

私はいろんなことと真摯に向き合えているだろうか。ドラ1右腕の立ち居振る舞いを見て、襟を正さなければいけないと感じさせられる。そして、いくつになっても日々「成長」につなげていかなければと今あらためて思う。【日本ハム担当=山崎純一】