広島がモバイルゲームの「プロ野球スピリッツA」を使用した「eBASEBALLプロスピAリーグ」で初代日本一に輝いた。同リーグはオンライン予選で選抜された3人が球団代表選手として参加。昨年12月からペナントレースが始まり、12勝3敗で優勝。ポストシーズン(クライマックスシリーズ、日本シリーズ)を5連勝で勝ち抜いた。22日の試合前にマツダスタジアムで表彰式があり、永久尚弥さん(20=会社員)、渡辺太智(たいち)さん(24=YouTuber)、桃坂剛司さん(21=大学生)のVメンバー3人にeスポーツの現状を聞いた。
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近年はeスポーツが世間に浸透してきた。高校に「eスポーツ部」を創部する学校も増え、海外では職業として確立。来年のアジア大会に採用され、五輪種目として検討の動きもある。
しかし、表彰された日本一プレーヤーたちは日本のeスポーツにおいて、わずかな溝を感じていた。渡辺さんは「海外はスポーツ扱いされているけど、日本は『ゲーム』という目で見られる。スポーツ扱いされるのは、まだまだ(時間が)かかると思う」と歯がゆい気持ちを語った。
実際「eBASEBALLプロスピAリーグ」開催にあたって、ゲーム会社の担当者から「野球ゲームを通して、eスポーツをスポーツに近づかせたい。そのためのプロスピAのeスポーツ化だ」と説明されたそうだ。
やはりゲームはゲームでスポーツはスポーツなのか-。永久さんは「本当のスポーツみたいにいろんな人を幸せにしたり、影響を与えたりできれば」と思いをはせた。
表彰セレモニーを前に、3人は球場の練習見学に招待された。練習中に栗林良吏投手(25)からは「おめでとう」と声を掛けられた。西川龍馬外野手(27)や堂林翔太内野手(30)のサイン入り帽子なども受け取った。渡辺さんは「西川龍馬さんから打撃手袋を頂きました! 選手もプロスピをされている方がいて、『おめでとう』と声を掛けてもらえてうれしかったです」と目を輝かせていた。
プロのアスリートが夢を与える。構図は変わらない。eスポーツとスポーツ。近くて遠い2つの存在。プロ野球が2つのかけ橋になる日が来るのも、そう遠くないかもしれない。【広島担当=前山慎治】
◆eスポーツ 「エレクトロニックスポーツ」の略でコンピューターゲームを使用した競技。90年代後半から中国、韓国や欧米では賞金の懸かった大規模イベントが開催されプロリーグもある。日本でも18年にプロライセンス制度が設けられた。競技人口は全世界で1億人以上といわれている。
◆eBASEBALLプロスピAリーグ モバイルゲーム「プロ野球スピリッツA」を使用した、日本野球機構(NPB)とコナミデジタルエンタテインメント共催のプロ野球eスポーツリーグ。プロ野球12球団を代表する各球団3人、計36人のプロプレーヤーがセ・リーグとパ・リーグのペナントレースを戦い抜き、日本一を決める。




