西武は鉄壁ぶりが目を見張る。今季は完投こそないものの、15度の0封勝ちはリーグトップ。楽天にも2試合連続完封リレーで勝利するなど今季初の同一カード3連勝を飾った。

水上、平良、増田は防御率0点台で勝ちパターンを担う。他の救援陣も本田、佐々木、ボー、森脇が防御率1点台。安定した内容が続く。先発陣も崩れず、試合をつくっている。

ついにチーム防御率は2.38。投手力こそ楽天に3連勝の最たる要因になった。ただ、それはバックの守備力を抜きには語れない。数々のファインプレーがピンチの芽を摘み取っていた。

24日は9回裏2死満塁のピンチ。一打サヨナラの場面で、ライナー性だった打球を中堅西川がキャッチした。抜けてもおかしくなかったが、ポジショニングが絶妙で1歩目も鋭かった。6回にも右翼川越が強肩で本塁で刺した。25日は2点を先制後の7回裏、先頭を四球で歩かせてしまう嫌な展開で捕手森が二塁へ好送球。三振ゲッツーで流れを渡さなかった。26日は7回1死一、二塁で二塁外崎が中前に抜けそうなゴロを横っ跳びの超ファインプレーもあった。他にも好守を列挙すれば、キリがない。

辻監督は思わず、こう言った。「(今は)ワンチャンスのライオンズなんだ」。チーム打率は2割2分2厘。打線の迫力不足は否めない。ただ、その中で貯金は2となった。2位楽天とはゲーム差2.5、首位ソフトバンクとは4.0に迫る。今季の西武は投手のチームの色が濃い。簡単には点を与えない戦いぶりの中で、その野手陣の守備力も見逃してはならない。【上田悠太】

楽天対西武 試合後、今季1号の本塁打を放った西武川越は「1」のポーズをする(2022年6月24日撮影)
楽天対西武 試合後、今季1号の本塁打を放った西武川越は「1」のポーズをする(2022年6月24日撮影)