第98回選抜高校野球大会(3月19日開幕・甲子園)の出場校が30日に発表される。日刊スポーツでは甲子園を沸かせた親族たちの思いを背負って吉報を待つ選手たちに注目し、「春待つDNA」と題して全3回にわたり紹介する。第1回は東洋大姫路の谷村奏志朗投手(2年)。祖母の弟の子供にあたる従叔父(いとこおじ)が今オフにDeNAから西武にFA移籍した桑原将志外野手(32)だ。公式戦登板0ながら昨秋の練習試合で頭角を現してベンチ入り候補に挙がる左腕。桑原もプロとしてプレーした甲子園で公式戦デビューを目指す。

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昨夏の甲子園で8強入りし、復活を印象づけた東洋大姫路に長身左腕が頭角を現してきた。西武にFA移籍した桑原将志を親戚に持つ、谷村だ。公式戦ではベンチ入りしたことがなく、登板0試合。それでも、昨秋は練習試合で主戦級に投げて経験を積んだ。「誰よりも人一倍やることを考えて、絶対にメンバーに入りたい」と意気込む。

西武桑原は祖母の弟の子供にあたる従叔父(いとこおじ)。毎年のように正月には顔を合わせ、小学生のときにはキャッチボールもするほどの身近な存在だ。今年は甲子園へのモチベーションも話題に上がり、「頑張れよ。気持ちでやれよ」とエールも送られた。谷村にとっては野球を始めたきっかけにもなった。「自慢できるし、誇りに思える。野球選手として尊敬しています」と憧れる。

桑原との会話から感じるのは負けず嫌いな部分だという。「ベテランになってきていて、『若手には絶対に負けへん』と言っていた。僕も負けず嫌いなので、もっとプライドを持ってやりたい」。同じ野球人として刺激を受けている。

小学生の頃から投手だった。左の変則投手で出どころの見にくさが特徴。制球力が課題だが、直球には球威がある。岡田龍生監督(64)は「伸びしろがあって、その気になれば上でもできる」と期待を寄せる。

貴重な左腕で、ベンチ入り経験がなく登板機会もなかったため、昨秋の練習試合では数多くマウンドに立った。「早くグラウンドに立って、1日でも早く公式戦で投げたい」という一心で腕を振った。

昨年春夏連続で甲子園に出場した際にはアルプスで先輩の姿を目に焼き付けた。「観客がいっぱい入って、どんな景色なんだろうと思った。自分も早くここに立ってやりたいと思った」。センバツ出場を決めてメンバーに入れば、桑原もプロ野球選手としてプレーする甲子園に立つ可能性がある。谷村も「同じ舞台でプレーできると光栄」と目を輝かせた。

センバツ出場が決まれば、同校初の3季連続甲子園となる。「流れがきている。春も出て、去年の3年生よりもいい成績を残せるようにしたい」と、まずは昨春の2回戦敗退を超えるつもりだ。その上で目標を全国制覇に定めた。「チームとして優勝できるように。個人としても優勝に貢献できるように活躍したい」。桑原もプレーした甲子園で公式戦デビューを果たし、勝利へと導く。【林亮佑】

◆谷村奏志朗(たにむら・そうじろう)2009年(平21)3月29日生まれ、大阪府和泉市出身。芦部小3年から芦部ジャガーズで野球を始め、郷荘中では金岡ボーイズに所属。東洋大姫路ではベンチ入り経験なし。親戚に西武桑原将志を持つ。50メートル走6秒9。遠投96メートル。身長180センチ、体重77キロ。左投げ左打ち。

◆東洋大姫路 1963年(昭38)創立の私立校。生徒数は1177人(うち女子473人)。野球部も同年創部で部員45人(うちマネジャー1人)。甲子園出場は春9度、夏は13度。77年夏、決勝で東邦(愛知)にサヨナラ勝ちをして全国制覇。主な卒業生に元マリナーズ長谷川滋利、元オリックス弓岡敬二郎、元ヤクルト原樹理、中日松葉貴大、西武甲斐野央ら。所在地は姫路市書写1699。上田肇校長。

谷村の従叔父の西武桑原(2025年12月22日撮影)
谷村の従叔父の西武桑原(2025年12月22日撮影)
東洋大姫路ナインが集合写真に納まる(撮影・林亮佑)
東洋大姫路ナインが集合写真に納まる(撮影・林亮佑)