巨人の4年連続V逸が決まった。OBの西本聖氏に話を聞いた。

-DeNAに敗れ優勝の可能性が消滅した

西本氏 菅野に続く先発の柱として期待した田口(2勝8敗)がダメだった。ゲレーロは途中で2軍に行ってしまった(現在は1軍復帰)。マシソン、カミネロの故障も痛かった。沢村に期待したが難しかった。勝てるゲームを落として悪い流れになってしまった。

-田口の不調の原因は?

西本氏 技術的なことよりも、いろんなことがかみ合わなかったと思う。勝ち星が付いてこなかった。防御率は4・80。例えば西武の多和田。防御率は同じ4点台(4・14)だがリーグトップの14勝。打線の援護があるというのもある。勝負どころでの勝負の仕方、攻め方は考える必要がある。

-今年も広島に勝てなかった。5勝16敗1分けと大きく負け越した

西本氏 去年(7勝18敗)の反省が生かされていない。同じような失敗、負け方を繰り返している。対策を練っているのなら変化があって然るべきなのに見えてこない。ベンチ、担当コーチが策を持って指示しているのか。感じるものがなかった。

-その他、気付いたことは

西本氏 2軍に落ちた投手が1軍に戻ってきても結果が出ないというケースが多かったように思う。2軍で何を課題と思って練習するのか。それができていないのでは。

-FA、ドラフト、若手選手の育成などは

西本氏 FAで補強することは悪いことではない。ただ生え抜きの選手に中心となって活躍してほしい。ドラフトに関しては、今年の1位、鍬原。1軍で初勝利も挙げたが、いきなり春季キャンプで1軍スタートできないのはいただけなかった。即戦力で入ってきているのにキャンプもまともにできないというのはどうか。野手では岡本、吉川尚が出てきたが若い投手にもっと出てきて欲しかった。

-育成面に問題があるのか

西本氏 私はジャイアンツにドラフト外で入った。当時の投手コーチだった杉下(茂)さんに「オマエみたいにコントロールの悪い投手は見たことがない」と言われたほどノーコン投手だった。でも、私はジャイアンツに育てられたと思っている。そんな投手が20年間も現役でやれたのは育ててもらったから。「育つ」のではなく若い選手を育てないといけない。今のジャイアンツにはその環境があるのか。無いのなら環境を変えないといけない。ピョンチャン五輪で飛躍的な活躍を見せたスピードスケート。つい先日、テニスの全米オープンで優勝した大坂なおみ選手。いずれもコーチを代えたり環境を変えたことで結果が出た。同じ選手がやっているのに結果が大きく変わった。そこに大きなヒントがあると思う。