昌平高校には逆境にも屈しないスーパー1年生がいる。桜井ユウヤ内野手(1年)だ。
高校野球ファンの間で、存在を知っている人は多いと思う。1年生にして既に高校通算20本塁打をマーク。NPBスカウトからも、将来性含めて期待されている。
甲子園出場はないものの、県内屈指の強豪校で4番を任されている。
昌平での歩みは入学直後の1年春から正三塁手に定着。春季県大会を優勝、夏は4強入りを果たし、春秋と関東大会を経験した。プロを目指す桜井は満面の笑みで、「自分は本当に幸せなんですよ」と何度も口にする通り、順調な野球人生を歩んでいるように見える。
ずっと口角が上がって、ニコニコとしている。母からも「ユウヤは本当に幸せな子だからね」と言われ続けて大事に育てられたと誇らしげに話す。「こんな体に産んでくれて」と180センチ、82キロの体を見て、また感謝する。
だが、中学時代にはちょっと大変なことも経験してきた。
中2まで全国経験のある硬式野球チームに所属。厳しさから自分以外の部員が全員やめてしまった過去がある。チームは解散し、試合ができない状況に陥った。「お母さんに『もうやめる』って言って、地元の軟式野球部に入りました」。 なんとか必死に次のプレー場所を探した。
途中加入した軟式野球部では初心者が多く、地区2回戦進出が最高成績。そのチームを地区3位で県大会進出まで連れて行った。「自分がエースやって4番打って、もうめちゃくちゃ楽しかったです」といろんな過去もまるごと愛している。
晴れて進学した強豪校で野球に打ち込む日々も「毎日楽しいことばっかりです!」とずっと笑っている。
桜井の良いところは、「自分は本当に幸せなので」と周りに絶えず感謝する姿勢。岩崎優一監督も「1年生で4番を張っても調子に乗ったりすることが、まずない。野球ノートもきれいに書くし、本当に素直で良い子」と優れた人間性を高く評価している。
「良い子」だが、野球で負ける気はさらさらない。他校の有名選手も意識するが、「『この人エグい』って騒がれている人とかいるじゃないですか。そういうのを見てると悔しい! っていうか。自分の方が打てると思います!」と元気いっぱいに笑う。
混じり気のないまっすぐな自信は、見ている人に心地よさを与える。ここから2年間。内側からにじみ出るスター性で、全国区へさらに駆け上がっていく。【佐瀬百合子】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)




