「石垣の5球」を打者として体感した敦賀気比の岡部飛雄馬内野手(3年)の視線は早くも夏へと向いていた。

2回戦の健大高崎(群馬)戦では9回2死一塁から大会注目右腕の石垣元気投手(3年)と対戦。中継ぎでの今大会初登板の右腕に「やっと出てきたな。これを打ったらヒーローやなと思っていました」と闘志を燃やした。

初球150キロを見逃してストライク。球場はどよめいた。その後も150キロ台を連発。2球目は152キロ、3球目は151キロ、4球目は152キロ。カウント2-2からの5球目、152キロを打ったが遊飛に倒れた。最後の打者となり、「仕留めたかった。真っすぐの威力が普通のピッチャーと全然違いましたね。伸びが全然違いました」と脱帽だった。

小学生の頃から父烈雄(れお)さん(43)のノックで鍛えられた。地元・兵庫の武庫川河川敷。名前の由来となった「巨人の星」さながらのノックで親子で守備力をつけた。2回戦でも初回に三遊間のゴロをダイビングキャッチ。内野安打にはなったが、美技で球場を沸かせた。1回戦・滋賀短大付戦では無安打も3盗塁。身体能力の高さを見せた。

身長は165センチと決して恵まれた体格ではないが、「背が低くてもできるところを見せたい」と負けん気の強さはピカイチ。前チームからもレギュラーで先輩にも鋭く切り込んだ。

今大会で心残りとなったのは打撃面。2試合で安打を放つことはできず、「こういう大きな舞台で結果が出ないのは日頃の練習が足りないと思う。詰めの甘さはあったと思う。次は誰よりも練習して、誰よりも結果を残して一番狙って優勝したい」と力強く宣言した。主将としてもチームを引っ張る中心選手。自分にも周囲にも厳しく、夏までのわずかな時間でレベルアップし、チームを再び甲子園へと導く。【林亮佑】

滋賀短大付対敦賀気比 2回裏敦賀気比1一、三塁、打者河村のとき二盗を決める岡部(2025年3月19日撮影)
滋賀短大付対敦賀気比 2回裏敦賀気比1一、三塁、打者河村のとき二盗を決める岡部(2025年3月19日撮影)