いわゆる「つかみはOK!」というヤツだ。だいぶ古いか。それはともかく、阪神育成1位・松原快のことだ。この日、大阪市内で行われた阪神新入団選手の発表記者会見。こちらも末席を汚させてもらったのだが、代表質問でザワつかせたのが松原だった。

目標とする投手は? の問いに「ジェフ・ウィリアムス」。対戦したい打者には「大谷翔平さん」と来た。松原クン、サイドスローとはいえ、キミは右投げだし。大谷翔平って、もう大リーグ目指すのか。そんな???が浮かぶ。無難に答える他の新人に比べ、なかなかのぶっ飛びぶりだ。

これにクビをひねったのが松原を担当したスカウトの筒井和也だ。阪神優勝の03年ドラフトで鳥谷敬とともに自由獲得枠で入団した左腕も今はスカウト。「前は斎藤雅樹さんって言ってたんですけどね。どうしたのかな?」と苦笑した。どうしたのかな?

松原 いやあ。前は斎藤さんって言いましたけど考えてみたら巨人OBだし。どうかなあと思って。

なるほど。では大谷翔平については。いつかは大リーグに行きたいのか?

松原 対戦相手もどこの誰って言うより、大谷さんって言えば、もう誰もが知る日本のヒーローですから。メジャーへ行きたいとかそんな気持ちはありません。まったく。

少々、すっとんきょうな答えも熟考した末の結果ということか。年齢も新入団で最年長の24歳。育成契約でもあり、まずは名前を覚えてもらうことが大事という狙いかも。少なくともこちらは記憶した。

「阪神ではマスコミに好かれることと、あまりマスコミにいらんことを言わないこと。先輩からも当然かわいがってもらわないといけないし。グラウンド離れたときは先輩から愛される選手になれば、それが当然、ファンからも愛される選手になると思う。阪神ではそれが一番、重要かも分からへんね」

プロ野球で成功するためのアドバイスは? という質問にこの日、指揮官・岡田彰布はそう答えた。「いらんこと」というのは他者への批判だったり不満だったりという類いのことだと思う。大風呂敷を広げることはそこには当たらないはず。岡田の考えもあり「ケガをせずシーズンを過ごすのが目標」と、おとなしめの発言が目立ったルーキーたちだが、若者は発言もプレーも強気でいってほしい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)