ゲリラ雷雨で甲子園は試合直前に中止が決まった。だがその少し前、虎番キャップたちの上に指揮官・岡田彰布のカミナリが落ちていたのである。そのことに少し触れたい。
前日11日の敗戦後。岡田が「1つ負けただけでシュンとして」などと我々、記者たちに苦言を呈したことはこのコラムで書いた。続けて読んでいただいている読者ならご存じだろう。
日刊スポーツは当欄で触れ、虎番記者の記事でも取材室で「今日1つ負けただけやないか。なんでこんなシュンとなるんや」と報道陣に話した、と見出しを付けて報じている。
だが一部にはそれが1面の大見出しになっている他紙があった。岡田がカミナリを落としたのはその部分について、だ。その紙面でも、内容については間違いなく「記者に対して」と記している。
しかし岡田にすれば、その見出しが独り歩きすれば、指揮官たる自分が、まるでチーム全体が元気をなくしているようにコメントしたように受け取られるではないか…という不満を持ったようだ。
メディア、スポーツ紙に属している側からすれば、このあたりは難しい部分だ。自戒を込めて書けば見出しが大げさになったり、飛躍したりすることは皆無ではない。最近はネットもあり、その傾向は強くなっているかもしれない。岡田も長い間、スポーツ紙の評論家として活動していたので、そのあたりは理解しているはず。それでも文句を言わずにいられない衝動があったのだろう。
「“負けてシュン”っていうんはおまえらに言うたんや。1面でいきよって。優勝争いしてんねんで」などとぶっちゃけたのである。記者たちにすれば「中身はちゃんと書いてますよ」と言いたいだろうがそういう言い訳も難しいのだ。
それでも、このカミナリでハッキリするのは言うまでもなく岡田もチームも逆転連覇へ本気だということだ。当たり前だが、なにしろ若いチーム、こちらの接するところでも「無理でしょ」と思っている選手はいないし、本気なのだ。
今回の岡田の怒りは、それが表出した形だと思う。プロ野球の監督は番記者に怒るものだ。仰木彬も野村克也も、星野仙一も、よく怒った。怒られた。でも、そういうものだろう。大事なのは最後まで熱い戦いをしてもらい、それを読者に届けることと思っている。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




