阪神ディプランティエ、ロッテ種市篤暉の投手戦、勝敗の分岐点は4回、阪神の攻撃だろう。先頭の6番・小幡竜平が中前打で出た無死一塁。ベンチのサインはラン・エンド・ヒットだったはず。ここで坂本誠志郎が放った打球は中前へフラフラと上がった。

中堅手にダイレクトで捕られれば一塁へ転送されてゲッツーだ。それを避けるためには一塁へ戻らなければならない。だが、それでバックしていれば打球が手前に落ちた場合、二塁で憤死してしまう。難しい判断を要求される場面だ。

結果はポテンヒット。そして小幡はギリギリで二塁セーフとなった。好判断で2つのピンチを回避し、無死一、二塁の好機を迎えたのだ。これは大きかった。その後、1死一、二塁と場面が変わった後、ディプランティエのバントが種市の焦りを誘い、三塁へ悪送球(記録は犠打野選)。これで満塁になり、近本光司の犠飛で先制したのである。

スポーツは一瞬の判断が重要だ。野球も同じだが「静」から「動」への動きが常なのでさらに難しいかもしれない。その意味でもよかったと思ったのだが、驚いたことに走塁面でチーフ格である外野守備走塁コーチ・筒井壮は少し“反省”していたのである。

「難しいんですよね。サインがサインだし、結果として小幡の判断はよかったと思います。それは間違いない。でも、あの当たりで三塁まで一気に行けるケースもあるんです。もちろん併殺のおそれも含むんだけど。正直、ゲームでもあまりないケースだし、走塁コーチとして考えます」

常に1つ先の塁を狙うことを徹底している現在のチーム。はたから見ていれば満点に近い結果、走塁だが、まだ追求できるという見立てだ。走塁を絡めて攻める阪神の魅力はそのあたりにあるのかもしれない。

そんな走塁もあって2-0でロッテに連勝。連敗を止めた前日18日の試合が終盤の猛攻でワンサイドになった。それで翌日に接戦で落とすとなればイヤだなと思っていたところでいい勝利だったと思う。

これで交流戦は7勝8敗に。前監督・岡田彰布(現オーナー付顧問)の23、24年と同じ7勝にたどり着いた。最後は首位ソフトバンク戦だ。貯金、5割、借金の可能性すべてがある。さらに言えば、もしも2敗1分けなら日本一の23年と同じ「7勝10敗1分け」だが、さあ、どうなる。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)