敦賀気比(福井)エース平沼翔太投手(3年)が昨夏のリベンジを果たした。大阪桐蔭にわずか4安打の完封勝利。先発しながら6回途中12失点で逆転負けを喫した昨夏準決勝の悔しさを完全に晴らした。

 「この日がずっとくると信じて練習してきた」。昨夏は敗れて泣きじゃくった。「野球人生で一番落ち込んだ。泣いてばかりだったので笑ってアルプスに行きたかった」。中学2年からつけている野球ノートにはスコアとともに「この悔しさは忘れない」とつづっていた。春1回、夏4回の全国制覇の強豪、大阪桐蔭を完封。胸を張り、勝利を三塁側アルプススタンドに届けた。

 東哲平監督(34)も「選手は本当に向かっていってくれた」と目を細めた。チームとしては初、福井県勢としても1978年(昭53)の福井商以来、37年ぶりの決勝。この勢いで悲願の福井県勢初の頂点に突き進む。

 ◆北陸3県初Vへ 北陸3県(富山、石川、福井)は春夏を通じて優勝がない。富山県勢は決勝進出がなく、石川県勢は95年夏に星稜が決勝で帝京に敗れた。

 ◆福井対北海道 春は今回が初対戦になる。夏の大会は福井県勢の6勝2敗。