専大松戸(千葉)は、12盗塁の機動力野球で粘る市川をねじ伏せた。名将・持丸修一監督(69)の新たな野球が千葉に旋風を巻き起こす。

 専大松戸(千葉)の持丸修一監督(69)が積極的な采配で逆転劇を演じた。監督歴43年、夏5度、春3度と甲子園出場した名将が足技で揺さぶった。3点を追う4回1死一塁から盗塁を決め、続く四球で一、二塁から重盗に成功。さらに四球で満塁とチャンスを広げ、古川信之介投手(2年)の適時内野安打などで同点に追いついた。2点リードを許した6回には、四球で出塁した走者が盗塁するなど、2盗塁を絡め再び同点。7回に勝ち越したが、計12盗塁と走りまくった。

 5盗塁を決めた平岩大知外野手(3年)は「盗塁の意識は全員持っている」と話す。ノーサインでも行ける時は「GO」と意思統一できている。昨秋の県大会で東海大市原望洋に敗戦してから、強力打線に勝つにはどうしたらいいかを話し合ったという。答えは「少ない安打で得点するために足を使う」。冬場は自主練習でも走塁練習を繰り返した。重心を低く、各個人に合ったスタート姿勢も話し合った。

 6月、「機動破壊」の高崎健康福祉大高崎(群馬)との練習試合で、思い切りのいいスタートを学んだ。藤代(茨城)の監督時代には守りの野球を掲げ、常総学院(茨城)時代には攻撃野球の印象が強かった持丸監督は、07年に同校に赴任した際、勝ち抜くための野球を考えたという。「重要になるのは足と守り」。機動力野球で千葉の頂点を目指す。【保坂淑子】