盛岡大付の主砲、3番植田拓外野手(3年)が2打席連続本塁打を放ち、チームに2年連続10度目の優勝と岩手初の3季連続甲子園出場をもたらした。6回に高校通算59号のソロを放つと、7回には星稜高時代の松井秀喜に並ぶ、節目の60号3ランを左中間スタンドに放り込んだ。「みんなに60本行け、と言われていて、ちょっと意識した」と笑った。

 4月の練習試合で右手首を痛めて、痛み止めを飲んで臨んだ。相手から厳しくマークされ、ボール攻めが増えた。「ボールばかりでイライラした」と言うが、春を終えてから甘い球を一振りで仕留める集中力を養い、今夏は4本塁打と力を発揮。甲子園では昨夏、今春とアーチをかけた。「後ろにつなぐ意識で、その結果がホームランになれば」。ベンチプレス110キロを上げる身長165センチの強打者は、静かに闘志を燃やした。

 ◆盛岡大付 1958年(昭33)に生活学園高校として創立の私立校。63年に女子校から共学となり、90年から現校名。生徒数は553人(女子216人)。野球部は80年創部。部員121人。甲子園出場は春4度、夏は10度目。OBにソフトバンク松本裕樹、OGにタレント山川恵里佳ら。岩手県盛岡市厨川5の4の1。赤坂昌吉校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦10-1大野

3回戦13-3盛岡南

4回戦7-0一関学院

準々決勝6-3花巻南

準決勝9-1盛岡四

決勝9-0久慈