第99回全国高校野球選手権大会(7日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が4日、大阪市内で行われた。天理(奈良)は第6日第1試合で大垣日大(岐阜)と対戦する。

 元トラ戦士初の甲子園監督、中村良二監督(49)は吉兆の日程を喜んだ。城下力也主将(3年)に「19番を引いてくれ」と第6日第1試合を指示したところ、見事に19番を引き当てた。中村監督が天理初の全国制覇を果たした86年夏の主将時代、初戦は第5日第3試合で、予定通りの日程になれば同じ8月12日。「遅めのスタートでいい結果につながりましたから」と現主将のくじ運を歓迎した。

 奈良大会決勝には近鉄時代の同僚が応援に駆けつけ、夜には約500件ものメールが入った。阪神の同期からの祝福もあった。夜中までかかって全メールに返信。「高校野球の監督になる夢はプロ入りであきらめたのに、こうして戻って来ることができました」と運命に感謝した。

 甲子園に連れてきた教え子も多彩。「天理のバレンティン」と呼ばれる主砲、神野太樹外野手(3年)は「大垣日大にはボーイズ時代にバッテリーを組んだ仲間がいます。強豪ですが、天理の名に恥じないように戦いたい」と4番の責任を自覚。大相撲の元横綱、輪島大士氏(69)の長男大地投手(3年)は「(もし父が観戦に来たら)堂々としたピッチングを見せたい」と意気込んだ。天理の新時代が幕を開ける。【堀まどか】