8年ぶり11度目出場の青森山田が1-9で東海大菅生(西東京)に敗れ、99年以来18年ぶり2度目の8強進出を逃した。投手陣が計19安打を浴び、打線も6安打に封じられた。無得点の7回には、7番中沢樹希也外野手(2年)が2試合連続となる今大会3本目の本塁打を弾丸ライナーで左翼席に突き刺し、一矢報いた。中沢を始め下級生4人が残る新チームが再び聖地へ向けて、新しいスタートを切る。

 無情にも、三塁へ駆け抜けることしかできなかった。1-9の9回2死満塁。一塁走者の中沢は、最後の打者がバットを振った瞬間、がむしゃらに二塁を回って、三塁を前に静かに足を止めた。一ゴロでゲームセット。肩を落としながら、背番号7は静かに整列へ加わった。

 「ここまで頑張ってきたのに、負けて悔しい。つらい。体力面でも技術面でも負けていた。力不足を痛感した」

 怪物清宮幸太郎(3年)擁する早実を撃破した相手に、完全な力負けを喫した。2回途中から登板したエース左腕三上世視滝(せしる、3年)が2本塁打を含む11安打を浴びて、4回までに計8失点。それでも意地を見せたのが中沢だった。6イニング連続無得点で迎えた7回1死。初球の低め138キロ直球をフルスイング。芯を食った当たりは弾丸ライナーで左翼席に突き刺さった。14日の彦根東(滋賀)との2回戦(初戦)で放った2打席連続弾に続く今大会3発目。ニコリともせず淡々とダイヤモンドを1周したが、胸の内では自信が確信に変わっていった。

 「3本打った中でも一番いい当たり。芯でとらえた。甲子園で3本も打てるとは自分でもびっくり。自分の打撃は結果的にやりきった。やってきたことは間違ってなかった」

 “キン肉マン”だ。中1で筋トレにはまって以来、独学でプロテインを1日8回摂取するなど、肉体改造を進めてきた。試合後、冷静さを取り戻した中沢は時折笑顔を見せつつ「この筋肉があったからこそ打てた。1年間酷使してきた筋肉に対して、お疲れさまですと言いたい」と前を向いた。

 甲子園での負けは、新チームの始動を意味する。中沢を始め、この日マウンドに上がった1年生左腕平沼海斗ら下級生4人は、聖地に戻る挑戦を始める。“キン肉マン”は再び、甲子園への思いをはせていた。「今日やってとても楽しかった。今までは3年生におんぶに抱っこだった。もう1回戻って、ここでやりたい」。110センチもある、パンパンに膨れ上がった胸筋を誇示しながら、聖地への帰還を誓った。【高橋洋平】