甲子園で3季連続本塁打を放った盛岡大付(岩手)の3番植田拓外野手(3年)が29日、社会人野球のバイタルネット(本拠地・新潟市)に内定していたことが分かった。今夏の甲子園準々決勝で花咲徳栄(埼玉)に敗戦後、「関口監督と話して、決めます」とプロ志望届の提出を希望していたが、バイタルネットでの3年間で、さらに力を蓄える方向にかじを切った模様だ。

 主砲として高校通算62本塁打をマークし、岩手県勢初の3季連続甲子園に導いた。2年夏の創志学園(岡山)戦に始まり、今春の履正社(大阪)戦で1本ずつ、今夏の済美(愛媛)戦では、9回に放った起死回生の同点ソロを含む2打席連続の計4本のアーチをかけた。3季連続本塁打は5季連続の清原和博(PL学園)に次ぐ記録で、通算6人目の偉業達成だった。

 165センチ、73キロと小柄だが「3度の飯より好き」な筋力トレーニングで体格差を補ってきた。ベンチプレス110キロ、スクワット240キロと驚異的な筋力を誇り、50メートルは5秒9で走る。走攻守3拍子を高いレベルでそろえたアスリートだ。

 医薬品卸業のバイタルネットは76年に発足した旧ニチエー硬式野球部から、01年に現名称に変更した。都市対抗は3度、日本選手権は6度の出場を果たしているが、14年を最後に2大会とも出場を逃している。打線のテコ入れが急務な同社にとって、待望の長距離砲だ。植田がさらなるレベルアップを果たし、聖地・東京ドームに導く。

 ◆植田拓(うえだ・たく)1999年(平11)5月10日、大阪・貝塚市生まれ。永寿小1年から野球を始め、貝塚一中では貝塚シニアに所属し、陸上部も兼務。盛岡大付では1年春の東北大会からベンチ入り。6月16日に発表されたU18(18歳以下)日本代表の第1次候補に選出された。165センチ、73キロ。右投げ右打ち。家族は母と兄。