第100回全国高校野球選手権(8月5日開幕、甲子園)の南北海道函館地区、北北海道旭川地区の組み合わせが12日、北海道のトップを切って決まった。函館地区で、初の夏甲子園出場を目指す知内は、函館大谷-函館稜北の勝者との対戦が決まった。まずは3年ぶりの南大会へ、蛯子諒皇(りおん)主将(3年)は「自分たちの野球をやって円山で戦ってみたい」と前を向いた。

 今春は地区代表決定戦で敗れたが5試合で計50点。3番蛯子が打率5割5分6厘など、チーム打率3割9分1厘をマークし、夏につながる破壊力は十分に示した。冬場に週3回、素振り1000回のノルマを課し集中強化してきた効果は出た。蛯子は「夏は決めきるところで力を発揮すること。勝負どころでの声掛けも意識したい」と口にした。

 守備面は、投手も兼務する森歩(あゆむ)捕手(3年)が中心だ。今春は、投手で4試合計21回1/3を6失点と上々の結果を残した。函館大有斗との代表決定戦は、3回戦の函館商戦で右手小指を負傷した影響で終盤2イニング限定登板となったが「もう指は大丈夫。夏は捕手も投手も全力で臨める」と復調をアピールした。

 15年に知内を南北海道大会に導いた本間茂裕前監督(63)が16年に町の教育長に就任。後を継いだ吉川英昭監督(42)は同氏のサポートも受け、町の後援会費を生かし、2年前から春夏2度の青森遠征を実施。吉川監督は「いろんな方の支えがある。私たちのような町立高でもやれるというところを示したい」と意欲的だった。【永野高輔】

 ◆知内と南北海道大会 函館地区予選突破は、90年を皮切りに最新の15年まで計15度ある。最高成績は97年のベスト4。なお、センバツは93年に史上初の町立校として出場。開幕戦で浜松商(静岡)に3-6で敗れた。