横浜創学館が延長10回に、大会屈指の好投手・矢沢宏太投手(3年)をKOして、11年以来のベスト4進出を果たした。

 延長10回1死一、三塁。2番・池田英人内野手(3年)が、カウント1-1からのスライダーを中前にはじき返し、勝ち越しの適時打とした。次打者の死球で矢沢をマウンドから引きずり降ろした。打線はさらに畳み掛け、この回一気に6得点。3時間27分に及ぶ試合の行方を決定付けた。

 打のヒーローの池田は「投手の佐藤(孝輔=2年)が踏ん張って応えてくれて、前の打者がつないでくれたので、チャンスをつかもうと。振ることを意識して打席に入りました。(打ったのは)スライダーです。スライダーを狙ってたので。肩口から入ってきたのに反応しました」と笑顔で振り返った。

 矢沢対策が実った。待球作戦だった。森田誠一監督(53)は「あまり早打ちはしないように。必ずベンチを見なさいと指示しました。球数を投げさせて、終盤勝負を懸けるぞと。1点差2点差でいけばチャンスはあるからなと。1ボールになったらウエーティングと決めていました」と話した。

 ボール先行するとスライダーでストライクを取りに来て、最後はストレートで締める傾向があると分析。カウントを稼ぎにくるスライダーを狙うよう指示していた。作戦は奏功し、5回終了時に112球、9回終了時には175球を投げさせた。延長10回にもつれたものの、粘りに粘って勝利を手にした。

 次戦の準決勝に勝てば、08年以来の決勝進出。殊勲打の池田は「そういうのは考えずに、1戦必勝でやっていこうと、初戦からやってます」と、目の前の試合に集中したいと話した。