【第4試合(15:30) 金足農(秋田)-近江(滋賀)】

 8強中唯一の公立校の金足農が、1984年以来34年ぶり2度目の4強入りを目指す。エース吉田が3試合連続完投で防御率2・67。ここまで06年の田中将大ら名投手と並ぶ3試合連続2桁奪三振で計41K。3戦連続2桁Kは東北勢では史上初。4戦連続2桁Kなら、12年松井裕樹(桐光学園=現楽天)、06年斎藤佑樹(早実、現日本ハム)ら6人が記録。吉田は、ここまで3戦いずれも13K以上(14K、13K、14K)を記録しており、4戦連続13K以上となれば、1946年大会の平古場昭二(浪華商)に次ぐ、戦後2人目の快挙。

 3回戦(対横浜)では9回3者連続三振で締め、最終打者には自己最速タイの150キロを計測したタフガイだが、3試合で球数は計475球。連投となる準々決勝でどこまで踏ん張れるか。また、吉田が試合前と最終回の守りに入る前にマウンド後方でみせる刀を抜く「シャキーン」のポーズは自分をリラックスさせるためのルーティン。“侍パフォーマンス”にも注目だ。

 チーム打率は3割2分2厘。エース吉田は3回戦(横浜)で2ランを含む3安打で打率も5割5分6厘と急上昇。6番高橋と7番菊地亮太はいずれも打率4割4分4厘と好調だ。

 3回戦で逆転3ランを放った6番高橋は金足農では生物資源科で畜産を学び、鶏や豚を飼育する。「動物は人間のために生まれて、人間のために育って、人間の体のためになってくれる」と感謝。高橋は秋田県大会決勝の前日、ニワトリ小屋で「明日頑張ってくるからな」と話しかけながら全羽に餌をあげた。「いいことをすれば返ってくる。僕も羽ばたけました」。優勝翌日には、酷暑の中で豚に水浴びさせた。「豚も冷たい水だと、気持ちよさそうにするんですよね。熱中症対策です。だから僕たちも熱中症になりません」。心温まるエピソードを持つ高橋のバットにも期待したい。

 近江は、準優勝した2001年以来17年ぶり2度目の4強入りを目指す。

 チーム打率は3割4分3厘で4番北村が絶好調。打率6割1分5厘(13打数8安打)、2本塁打、11打点を記録し、現在、今大会の打点王だ。また、9番住谷も打率7割7分8厘(9打数7安打)でベスト8の進出したチームでは打率トップ。1番木村も5割4分5厘(11打数6安打)。2番土田、7番山田も3割超をマークしており、打線の上位、中軸、下位に好調なヒットマンがいる。

◆近江のおもなOB 阪神植田海、DeNA京山将弥

◆金足農のおもなOB ヤクルト石山泰稚、元中日小野和幸