第1回大学野球オータムフレッシュリーグが今日23日、静岡・草薙球場などで開幕する。静岡商は25日に慶大と対戦。4番藤好悠外野手(2年)が、持ち味のフルスイングで本塁打を狙う。

静岡商の打撃練習で藤好が左打席に入ると、右翼後方のコートで練習中のテニス部に向けて「藤好注意報」が発令される。

「次、藤好です。打球に気をつけてください」

打球は右、中、左の深くに高い放物線を描く。それを眺めて高田晋松監督(48)は言った。「飛距離は高校生離れしている。大学生相手にもスタンドへ持っていく力があります」。

貴重な長距離打者の藤好は、1年夏にベンチ入りも、同秋に腰を痛め、翌年1月にはヘルニアを抱えて手術を受けた。今年5月に復帰し、8強入りした今夏は背番号7で全試合出場。4回戦の日大三島戦では、本塁打を放った。だが、今秋は本塁打0で、チームも県2回戦で敗退。「内角直球に差し込まれることが多かった。大会後は内角を打つ練習を重視してやっています」。

その上で、長距離砲を磨いている。筋力トレーニングで主に下半身を鍛え、タンパク質中心の食生活に変えた結果、体重が夏から3キロ増量した。「監督から『本塁打を狙え』とよく言われています」。

秋季大会後の練習試合からは、4番を務めている。「責任感が強くなりました」。慶大との対戦に向けては、「自分のフルスイングでどれだけやれるか試したいです」と声を弾ませた。【河合萌彦】

◆大学野球オータムフレッシュリーグ 出場機会の少ない大学1、2年生の育成を目的に創設。大会期間中は地域貢献の一環として、地元高校チームとの交流試合、大学選手による小学生、未就学児への野球教室なども開催される。入場料は育成助成金の名目で1口1000円から。高校生の試合が行われる球場では、終日無料となる