甲子園春夏41度出場を誇る東北(宮城)を今春の東北大会で準優勝に導いた葛岡仁投手(3年)が、社会人野球のトヨタ自動車東日本(岩手)に内定したことが28日、分かった。

182センチ、80キロの大型左腕は、最速136キロながら伸びのある内角直球と、切れ味鋭いスライダーやチェンジアップが武器。今夏の宮城県大会は古川工との4回戦で7回3安打に抑えながらも、2つのスクイズで0-2と敗れ、甲子園出場はならなかった。

1年秋から伝統校のエース番号を背負ってきた。16年秋の県1回戦で東北生活文化大高相手に2安打完封で存在感を示し、以降は同学年の古川原将真投手と「左腕2本柱」として活躍。昨春、今春と2度の県王者に導いた。精神面での強さも兼ね備えている。昨夏の県4回戦、7回の打席で軸足となる左足甲に死球を受けながらも続投を志願。さらに9回無死一塁から2時間を超える降雨中断を挟んでも完封するなど、チームの信頼感は絶大だった。

トヨタ自動車東日本は創部7年目と歴史は浅いが、今夏の都市対抗野球2次予選東北大会決勝で日本製紙石巻(宮城)を破り、第1代表として本大会に初出場した。同1回戦では強豪東芝相手に、5投手が2本塁打を含む14安打を浴びて1-12の7回コールド初戦敗退。先発、抑えとフル回転できる葛岡は、全国での勝利に向けて一翼を担う。