来春のセンバツ21世紀枠候補の県推薦校に選ばれた新潟南の表彰式が28日、同校で行われ、主将の岩渕大捕手(2年)が表彰状を受け取った。今後は北信越地区で1校に絞られ、12月14日に北信越候補校として発表される。新潟南は秋季高校野球県大会で準優勝し、同北信越大会1回戦では遊学館(石川)に1-8で敗れている。

岩渕主将が日焼けが薄まった顔を引き締めた。「21世紀枠に推薦されたのは光栄。冬に頑張っていきたい、という決意を改めて深めた」。21世紀枠のセンバツ出場校は、12月に北信越地区でまず1校に絞られ、来年1月25日の選考委員会で決まる。春甲子園への道は厳しく長いが、今後の練習には拍車が掛かる。

秋季県大会で準優勝した新潟南が21世紀枠に推薦された要因は3点だ。右翼が70メートルで、練習試合さえできない不利な練習環境。学業との両立。そして3年前から毎朝、校舎の階段掃除をする奉仕活動が評価された。岩渕主将は「野球は自分を犠牲にして仲間を次の塁に進めるスポーツ。朝の掃除は犠牲心の訓練になっている」と話した。

秋季北信越大会は1回戦で遊学館(石川)に1-8の7回コールドで完敗した。「練習に取り組む姿勢を変えなくてはならない、ということを発見した」と言う岩渕主将は続けた。「打ち勝つことができなければ、上位にはいけない」。冬場は振り込みで打撃力を強化し、筋力アップも図るつもりだ。

新潟南は84年夏に甲子園で8強入りするなど、夏の出場は2回。斎藤貴教部長(44)と長島史明監督(44)は同校野球部の同級生だ。92年夏の県大会決勝で長岡向陵に1-2で敗れた、苦い経験を共有している。教え子で、後輩の選手を指導する長島監督は「先輩たちが築いてきた活動も評価されたと思っている。身の引き締まる思い」と同校の伝統を背負いながら後輩を指導する決意だった。【涌井幹雄】