最後の打者を右飛に打ち取るとマウンドに選手が集まった。天に人さし指を向けNO・1ポーズで喜びを爆発させた。花咲徳栄(埼玉)が、自らの持つ4年連続県優勝の県記録を更新する、5連覇を達成した。

11-2で山村学園を圧倒した。県大会全体を通じても7試合92得点、8失点と投打で他を圧倒する盤石の勝ち上がりだった。5番打者として大会打率5割9分3厘と打ちまくった羽佐田光希内野手(3年)は「秋と春負けていたのでうれしいです」と笑顔をみせた。

経験が生きた。岩井隆監督(49)は「7月15日までを強化期間として、大会が始まっても走り込み振り込みをやってきましたので。7月頭で調整に入ったチームは最後ばてるんじゃないかと。全く根拠はないんだけど。2週間くらいベストコンディションを保てるのではないか」。4連覇の経験と天候などさまざまな要素から導き出した調整方法が的中。梅雨明けが遅く準決勝以降急に暑くなった中でもコンディションは崩れなかった。

岩井監督はこの日の勝敗のポイントを「決勝慣れ」と表現した。打線が爆発し投手が粘るというこれまでの勝ち上がりを象徴するような決勝での戦いぶりで、絶対王者が全国へ駒を進めた。【佐藤成】

◆花咲徳栄 1982年(昭57)創立の私立校。生徒数1747人(女子842人)。野球部も82年に創部で部員は156人。甲子園出場は春4度、夏は5年連続7度目。主なOBは広島高橋昂也、中日清水達也、ボクシング元世界王者の内山高志ら。埼玉県加須市花崎519。田中一夫校長。