<全国高校野球選手権:仙台育英8-5鳴門>◇14日◇2回戦

1球が、1つのプレーが勝負を分ける。令和となって最初の夏。熱い戦いのワンシーンを「ヨネちゃんの『プレー』バック」と題して切り取った。

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試合開始のサイレンが鳴り響く中、仙台育英・中里光貴二塁手(3年)はもう二塁にいた。初球、131キロの速球を二塁打。「初球から行くつもりでした。スライダー待ちで内にまっすぐがきた。振り遅れたけど、強く振りました」。中里が自らの打席を解説した。

1回戦(対飯山)の反省があって打ちに出た。「1番なんでバックスクリーンを狙うぐらい思い切り振らないと。チームに勢いをつけたいんで」。前回は初球を見逃し、3球目を打って三直。無得点に終わった。

この日の1回は、打席に入った8人全員が第1ストライクを打ちに出た。鳴門の西野知輝投手(3年)に19球を投げさせ、見逃しストライクは0。6安打中、初球打ち3本、1-0から2本、2-2から1本だった。西野は「初球から来るのは予想していた。読まれているのか、の感じもあったけど、低めに投げた球が全部浮いた」と話した。

いきなりの4得点。中里は4安打した。「最初の打席で今日は振れてるなと思った」。すべてが第1球から始まった。【米谷輝昭】