優勝候補相手に、宇部鴻城バッテリーは最後まで攻め続けた。

2-2の延長10回1死満塁で、投前スクイズを決められサヨナラ負け。池村健太郎投手(3年)が投じたのは、真ん中の134キロ直球だった。「(スクイズは)当然警戒していましたが、ボールの力で押そうと思っていた。スクイズをさせないと思っていたのですが、相手のほうがうまかったです」と強気にいった結果だった。

池村と山本雄一郎捕手(3年)は小学生の時からの幼なじみで、11年来のバッテリー。山本も「正直外すというのはあったんですが、池村を信じて、自分のミットに投げ込んでほしかった。絶対真っすぐと決めていました」と相方を信頼し迷いはなかった。

初の8強はならなかったが、3年連続県大会決勝敗退から今年は16強に登りつめた。尾崎公彦監督(49)は「大きなものを背負ってやってきて、ここまで来た。称賛の声をあげるしかない」と手放しにナインを労った。