全国高校野球選手権に出場した日本文理の新チームが16日、同校室内練習場で始動した。新主将には平野貴史捕手(2年)が就任した。甲子園でベンチ入りはしていないが、居残り組をまとめていた。リーダーシップを発揮して来春のセンバツを目指すチームを引っ張る。

新主将、平野の張りのある声が室内練習場に響いた。ランニング、ストレッチとメニューが切り替わるごとに指示を出すと、ナインが大声でそれに反応した。

練習前のミーティングで鈴木崇監督(38)に主将の指名を受けた。引退した3年生全員の推薦だった。「みんなで助け合って行動し、みんなのためにいろいろなことをしたい」。平野は新チームの前で決意を言葉にした。

リーダーシップがある。今夏甲子園のベンチ入り18人、帯同メンバー12人には入っていない。「新チームのために残りたい」と志願し新潟に残った。居残りメンバー79人をまとめて、練習を仕切った。鈴木監督は「重みを感じてくれる。責任感も強い」と買う。

夏の県大会前は6月の練習試合で常にレギュラー組に帯同した。鈴木監督の隣で試合を観察した。チームの甲子園出場にいたる舞台裏をつぶさに見てきた。投手陣を引っ張る捕手でもある。チームの成長を支えていく要素はそろっている。

新チームの目標は「(来春の)センバツに出ること」と平野。20日前橋東(群馬)との練習試合が初陣だ。「1人1人がチームのために何かをする」という新主将の信念の下、日本文理がセンバツを目指し、スタートを切った。【斎藤慎一郎】

◆平野貴史(ひらの・たかふみ)2002年(平14)9月15日生まれ、上越市出身。春日小1年から野球を始める。春日中では軟式野球部でポジションは投手と捕手。日本文理に入学し、1年の春と秋にベンチ入りした。170センチ、74キロ。右投げ右打ち。