伝説の星稜OBは、夢の続きを楽しみに甲子園をあとにした。79年夏の甲子園3回戦で箕島(和歌山)と延長18回の激闘を戦ったチームの山下靖主将、一塁手の加藤直樹さん、ランナーコーチの竹多昭二さんが早朝に石川・金沢市を出発し、甲子園へ。

さらに箕島OBの中本康幸さんも和歌山から駆けつけ、学校の枠も超えた友情応援となった。だが、初優勝を見ることはかなわず、OBたちは「校歌を歌いたかった」とつぶやいた。

それでも、大きく腕を振って行進する後輩たちに「最後までしっかりやるのが星稜。伝統を受け継いでくれているのがうれしいですね」と加藤さん。平成最後の日となった今年の4月30日、金沢市内で山下智茂名誉監督も招いて同期会を開催。「今でも集まって、高校時代を語れる恩師、仲間がいる。それがありがたいです」と山下さん。勝敗を超えた甲子園の宝物を知る顔ぶれは、履正社を祝福し、星稜をねぎらった。