チーム屈指のパンチ力を誇る加藤学園(静岡)佐野陸斗外野手(1年)は、昨秋の東海大会3試合すべてで2安打以上を放ち、打線をけん引した。「(昨年の)春も東海大会に出ていたので、雰囲気はわかっていた。レベルが高くても、ひるむことはなかったです」と中心選手らしい頼もしさを見せた。

だが、県大会では19打数3安打。打率1割5分7厘と苦しんだ。「結果を求めすぎて、個人プレーに走ってしまいました」。それでも「このチームは、みんなでカバーしあう。自分が打てなくても誰かがやってくれる」と気持ちを入れ替えた。その結果、本来の打撃を取り戻した。

静岡蒲原シニアで全国8強入りに貢献。進学先を決める際、米山学監督(41)から「甲子園初出場のための力にならないか」と声をかけられて、加藤学園進学を決めた。先月24日、センバツ出場が決まった瞬間には、うれしすぎて泣いてしまったという。しかし、すぐに意識を切り替え「甲子園でどうやって戦うか」と引き締めた。

聖地では、昨秋神宮大会王者・中京大中京(愛知)との対戦を希望。「個の力では足もとにも及ばないが、自分たちにはチーム力がある」と闘争心をむき出しにした。そして「持ち味のフルスイングでチームの勝ちに貢献したい」と力を込めた。【河合萌彦】

◆佐野陸斗(さの・りくと)2003年(平15)6月20日、富士市生まれ。松野ファイターズで野球を始め、静岡蒲原シニアでは3年夏に全国8強入りに貢献。加藤学園高では、1年春からメンバー入り。昨年5月1日、県大会準々決勝で県高校野球公式戦令和初本塁打を放った。右投げ左打ち。166センチ、76キロ。血液型AB。家族は両親と兄。

※「至誠」とは、加藤学園高の校訓で誠実で品位のある姿勢を示す。「全ての事は心からはじまる」を部訓とする野球部にも通じる言葉です。