静岡県内の高校では、1日から部活動が段階的に再開された。昨夏の甲子園出場を果たした静岡高の野球部もこの日から練習を再開。

同校グラウンドで午後3時過ぎから始め、ノックなどの守備練習や打撃練習など、約3時間半のメニューで汗を流した。

全部員がそろって行う全体練習は、4月10日以来52日ぶりという。今夏の甲子園と県大会中止が決まった中での練習再開となったが、選手は時より笑顔を見せるなど、初日からはつらつとプレーした。

栗林俊輔監督(47)は「3年生の夏は終わってしまったが、人生は続いていく。上級生は後輩に何を残すのか、下級生は先輩の姿勢を見て何を感じるかが大事」と訴えた。県高野連は5日に代替大会開催の方針を示す予定。現在は開催を信じて待つしかない状況だが、主将の相羽寛太内野手(3年)は「甲子園がなくなって悔しい気持ちはありますが、立ち止まってはいけない。代替大会があれば県優勝を目指してやりたい」とチームの思いを代弁した。

同校では給水用のコップを廃止して、マイボトルを持参するなど、感染予防対策も入念に行っている。今後も練習を継続する。昨夏の甲子園で、1回戦の津田学園(三重)戦に4回から登板した松本蓮投手(3年)は「1試合でも多く勝って優勝を狙うことが今のモチベーション。開催を信じて今はできることをやっていきたい」と顔を上げた。【神谷亮磨】