今春のセンバツ出場が幻となり、8月の「2020年甲子園高校野球交流試合」に出場することになった福島県の磐城が、再スタートを切った。昨年10月15日の東北大会準々決勝(対仙台城南戦)以来の対外試合で、同地区ライバルのいわき光洋に10-1で快勝。7月18日開幕の夏の代替大会「福島2020夏季高校野球大会」に向けて士気を高めた。

ブランクを感じさせない集中力を発揮した。先発の沖政宗投手(3年)は3回無安打4奪三振と貫禄の投球を披露。攻撃では1回裏に岩間涼星主将(3年)の先制打など4連打で4点を奪った。岩間主将は「失敗を恐れず最初からトライしていこうと。みんなで集まって、他のチームと試合ができるのは心からうれしい。この気持ちを忘れずにやっていきたい」と喜んだ。

2試合目では、センバツでただ1人登録を外れた菅波陸哉外野手(3年)が、適時打を含む2安打。甲子園交流試合では20人のベンチ入りが可能となり、リベンジに燃える男が控え組を引き締めた。岩間主将は「楽しんで終わるのが目標じゃない。今まで通り最後まで勝ちにこだわる気持ちをぶらさず、県で優勝して、甲子園でも勝って終わりたい」とあらためて熱い決意を口にした。【野上伸悟】

〇…因縁の対決だった。いわき光洋のエース山野純輝(3年)は、いわき市の中学選抜チーム「いわき松風クラブ」で磐城・岩間主将とバッテリー。5回には見逃し三振に仕留め「磐城とやって見つかった課題を夏に生かしたい」。また磐城・渡辺監督は昨季までの指揮官。ともに磐城OBで、選手時代は紺野勇樹監督(38)が4番、渡辺監督がエース。紺野監督は「次は県の決勝で勝ちたい」と誓った。