軽米が3番の「トリプルスリー」などで3点を奪い、昨夏の友に競り勝った。部員11人で2年ぶりの単独出場にこぎつけ、洋野連合(大野・種市)に3-1で勝利した。主将の小林柊陽内野手(3年)が3本の三塁打を含む4打数4安打の固め打ち。投げては4投手のリレーで最少失点に抑えた。昨夏は大野、種市との3校連合で出場。「元チームメート対決」を制し、11日からの県大会出場を決めた。

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小林主将のバットが止まらない。初回から華麗にトリプル三重奏を打ち鳴らした。第1打席は初球を思い切り振り抜き、まずは左越え三塁打でスタート。3回は流して右越え、8回は中越えとともにファーストストライクを強振し、3方向に三塁打を打ち分けた。「コースに逆らわずに打てました。しっかりスイングができている」と本人も納得の表情だ。「パワーがついてきたと思います」と、冬場にベンチプレスやスクワットで全身を鍛え上げた成果を発揮。日本プロ野球でも過去5人しかいない1試合3三塁打の快挙だった。

それでも打線は10安打で3得点とつながりは悪かったが、4人の継投が光った。先発の井戸渕拓己内野手(2年)が2回2安打3奪三振で無失点、4回2死二、三塁から救援した皆川椋太内野手(2年)は三ゴロに抑える好火消し。続く5回に味方の失策で1点を返されたが気持ちを切らさず、最少失点で切り抜けた。4番手のエース右腕・柳翔磨(3年)が6回以降を3安打無失点で締めた。赤坂健太郎監督(31)は「最初から継投を考えていた。春先から柳以外の投手陣も、しっかり伸びてくれた」と成長を実感した。

昨夏は同じ連合チームで共闘した仲。手の内を知り尽くした相手だった。ガッツあるプレーには、両軍ベンチから「ナイスプレー」とお互いをたたえ合うシーンもあった。赤坂監督は「2、3年生は知っている子たちで、成長を感じられましたね。ベンチでうれしかったです」としみじみ話した。「県大会で1勝」とエールをもらった元戦友の思いも背負って、12日に岩手との県初戦に臨む。【佐藤究】

◆プロ野球の1試合個人最多三塁打は? 日本記録は3本で過去5人が記録。パ・リーグで吉岡悟(太平洋)ら2人、1リーグ時代には川上哲治(巨人)ら3人。メジャーでは1リーグ時代の1897年にビル・ジョイス(ジャイアンツ)が4本を記録。2リーグ分裂後は3本が最多。