明徳義塾が決勝再試合で高知を6-0で破り、3年ぶり20度目の優勝を飾った。

11日は1-1の延長12回で大会規定による日没コールドとなっていた。エース左腕の代木大和投手(2年)は9回5安打の完封で、準決勝から「3試合連続」の完投を優勝で飾った。準決勝と11日の決勝の2日間で計280球を投げたが、体に疲労がたまりにくいタイプでもあり、状態は順調に回復。仕切り直しの一戦は、2回の3者連続三振を含めて10三振を奪う快投だった。馬淵史郎監督(64)は「(代木に)いけるか? と聞いたら『いけます』と。おかしくなったらいつでも言ってこいと言っていた。なかなかたいしたもんです」と鉄腕エースを称賛した。

打線は3回に打者一巡で一挙6点を先制した。2死満塁から押し出し死球でまず1点。「2死からのビッグイニングというのは野球は最高にムードが良いんですよね」。指揮官の言葉通りこれが起点になり、四球を挟んで4連打と投打がかみ合った。

高知1位で来春センバツ出場校を決める参考資料となる秋季四国大会(24日開幕、高知県立春野野球場)に出場する。馬淵監督は「去年は3位から歯を食いしばって一からやっていって良い結果が出た。1位になってホッとしたら意味がないのでもう1回気を引き締め直してたい」と隙を見せなかった。「本大会(センバツ)に出られるか分からない。ここから必死カッパでやるんですよ。明徳は野球やるしかない」。必死カッパは土佐弁で一生懸命、非常に頑張るという意味で、関西でいえば必死のパッチにあたる言葉。名将が気合を入れ直した。【望月千草】