第103回全国高校野球山梨大会の組み合わせ抽選会が24日、甲府市内で行われた。名門・甲府工が9度目の夏甲子園を目指す。主将の上村祥雅捕手(3年)は「エースの末木がいますし、打線も厚みを増してきました。ただ、うちは守りからリズムをつかむのがペース。しっかり守りを鍛えて夏に臨みたいです」と、言葉を選びながらチームカラーを端的に説明した。

チームにはプロも注目するエースの末木克典投手(3年)がいる。最速143キロのストレートにカーブ、チェンジアップ、フォークなど5種類の変化球も備えた右腕。受ける上村も特にフォークを絶対に後ろにそらさないブロッキングで、エースをもり立てている。

168センチ、75キロの上村は、日に焼けた顔と筋力の強さを感じさせるゴムまりのような体つき。主軸を任される上村が、対戦に闘志を燃やすのが、反対のブロックに入った東海大甲府だ。春の県大会は3位決定戦で敗れている。

上村は「1年生大会で負けて、昨年夏と秋、そして今回の春と4回対戦してまだ1勝もしてません」と言った。「やっぱり私学には負けたくない。最後の夏に東海大甲府に勝って甲子園を決めたいです」。甲府商とともに山梨の公立勢を引っ張ってきた自負を感じさせた。【井上真】

○…33チームが抽選会に集まったが、日本航空は寮生活の部員から新型コロナの陽性反応が出たため、主将が欠席した。代わりに抽選に臨んだ桜井諒佑部長(30)は「今は外部と接触しないよう自粛しています。検査も2回して陽性者以外はみんな陰性でした。主将の久次米も陰性でしたが、念のため今日は見合わせました」と事情を説明した。