東京の夏が始まった。第103回全国高校野球選手権、東・西東京大会の開会式が行われた。

制限の中での開催となった。参加できたのは、主将とプラカードを持つ生徒1人の2人のみ。スタンドに入場できたのも、その2人の親のみだった。入場曲も、例年であれば東京消防庁音楽隊の演奏があるが、今年は録音を再生。選手はマスクを着用しての入場行進となり、早実の清宮福太郎主将(3年)も真剣な目線で神宮を一周した。

選手宣誓は関東第一の楠原悠太主将(3年)が行った。宣誓の中では「去年思うように野球が出来無かった先輩たちのため」と、甲子園が中止となった先輩への思いにも触れ、スタンド全体から大きな拍手を浴びた。

式終了後の囲み取材では「去年は甲子園を目指せませんでしたが、それでも前を向く姿を見てました。そんな先輩たちの思いを背負って挑みたい」と話し、自己採点を「8点です。10点中、8点」と笑顔で話した。

開会式の最中には、熱中症の影響か、体調を崩した選手も複数いた。明け方までの降雨の影響で、高い湿度の中で行われていた。

以下、選手宣誓全文。

宣誓。私たちはコロナ禍の中で、今まで当たり前だった練習や試合が、当たり前に出来無い事を経験し、仲間と野球が出来ることが、いかに幸せなのかと言うことを、痛切に感じた1年を過ごしてきました。また、新型コロナウイルスの不安が残る中、沢山の方の協力の下、大会が開催されることに心から感謝し、これまで支えてくださった、多くの方々への感謝を胸に、全力でプレーします。また、去年思うように野球が出来無かった先輩たちのため、高校野球を愛してくださる全ての方々へ、勇気と希望、感動を与えられるよう、前を向き、諦めず、全力で戦い抜くことを誓います。令和3年、7月3日、選手代表、関東第一高等学校硬式野球部主将、楠原悠太。